Co-Writing Farm Official blog

クリエイター集団Co-Writing Farm(CWF)のオフィシャルブログ。メンバークリエイターの日々の活動などをカジュアルにお伝えします。

作曲家はもう、孤独な職業じゃない

こんにちは、Co-Writing Farmの作曲家、ペンギンスです。

Co-Writing Farm(CWF)ができてもう6年になるのですが、僕はけっこう初期の段階から居させてもらってます。当初は10名ちょっとだった人数も、いまでは130名を超える大所帯になりました。もちろんあんまり見かけない人とかいつも会う人とか差はありますが、濃ゆさは違えど同じ釜のコーライターという感じで、仲良くやっています。

いわゆる作家事務所などに所属した経験はないのですが、他事務所の作家仲間の話を聞いていると思ったよりもCWFは横のつながりというか、ワイワイガヤガヤから生まれる音楽の喜びと成長がいっぱいあるんだなというのを感じます。

当たり前のように月に何度も気の合うやつらと飲み交わして、もちろん仕事上でも現場で会う機会があり、「この前コンペに出してたあの曲よかったよ」とか「Black Fridayで何買った?あれ買ったの?今度家でちょっと見せてよ」とか会話してる喜びはあまり目立たないけれど、地味に嬉しいものだったりします。(さらっと書きましたがCWFでは情報はオープンシェアが基本理念、他の人が提出した曲も現在過去問わずCo-Writing Studio上で自由に聴くことができます。もちろんコンペの守秘義務など、クライアントの求める情報管理は厳守ですが、内部での楽曲の切磋琢磨は素晴らしいことだなと思います)

DAWが発達したことで「これからの作曲家は自己完結が基本」「ひとりで全部できるからこそ仕事になる」と喧伝されたのがもう10年以上前だった気がします。それはまぎれもない事実で、僕自身ボカロPとしてキャリアをスタートさせたので、音楽制作をひとりで完結させるスキルはあったほうが本人にとってハッピーだと考える人間のひとりですが、その代償として、「音楽はひとりで作るもの」という固定概念が浸透してしまったのもまたこの10年だった気がします。
しかしCWFでコーライティングを重ねたこの6年で、だいぶ作曲家という職業のイメージも変わってきたように思います。自宅でひたすらDAWに向かうというイメージから、仲間の作家宅でライティングセッションしたり、SNS上で情報をシェアしつつ盛り上がったり、時にはどこかへ旅して異国でセッションするという風景が、まるでバンドがリハスタで音をぶつけあう風景と同じくらい自然なものとして受け入れられつつあるなというのが実感です。

事実、この夏も僕らは都内某所のAirBnBをCWF作家仲間で自主的に貸し切り、コーライティングキャンプを開催しました。機材の用意、食事のしたくからチーム分け、タイムスケジュールまで自分たちで決めて、自由に楽しく音楽制作しました。そこから早速タイアップ曲のリリースも決まり、「コミュニティが生み出す熱量が、音楽の楽しさを増幅させて、それがビジネスとしても成果につながる」という好循環を実感しているところです。

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今年の夏に都内のAirBnBを貸し切って行われた自主キャンプ。自発的なキャンプからタイアップ楽曲のリリースも決まるなど、横の繋がりが次の成果に結びついています。


オーケストラにせよバンドにせよ、よく考えてみれば昔から音楽は複数名で奏で、生み出すほうがむしろ主流でした。DAWの登場でいっとき失われた音楽家の連帯感を、すぐにコーライティングが取り戻したということかもしれません。
作曲家はもう、孤独な職業じゃない。やっぱり楽しい職業だ。そんなことをCWFでコーライトしながら日々、実感しています。