Co-Writing Farm Official blog

クリエイター集団Co-Writing Farm(CWF)のオフィシャルブログ。メンバークリエイターの日々の活動などをカジュアルにお伝えします。

DTMおすすめソフト(無料・有料)

おはようございます、Co-Writing Farmの作曲家、ペンギンスです。
急に寒くなりましたね。

前回の僕の記事をアップしたら、エンターテック・エヴァンジェリストの山口哲一さんがこんな記事を書いてくれました。

note.com
「これからDTMを始めようと思っている人にアドバイスしておきたいポイント」として書かれていることに僕からも補足をしておきたいなと思ったのでエントリを書きます。

「無料ソフトで始めてみる」について

フリーソフトの活用は今の時代非常に効果的です。Apple GarageBandのようなフリーソフトだけでも相当なことができます。機能面、音質面とも有料ソフトに遜色ありません。
ただ、最後まで無料ソフトで(ある意味)「逃げ切れる」とも思えないのは事実です。無料であるがゆえにサポートやアップデートがしっかりしていない場合もありますし(GarageBandなどは例外ですが)、ユーザコミュニティーが確立されて情報がネットにあふれているのはやはり有料で高いシェアを持つ著名なソフトウェア達です。
なので、「どこにお金を使うか」「予算はいくらか」という発想を考えるステップに進んでいくと考えるのが現実的だと思います。

"無料には2種類ある"

そういう意味でいうと、無料にも2種類あるなとこのブログを書いていて気づきました。1つは一般的な意味での「無料でダウンロードして、無料で使える、いわゆるフリーソフト」です。もうひとつは有料ソフトを30日間だけ試用できる、といったいわゆる「試用版・トライアル版・デモ版」などと呼ばれるものです。これは非常に価値があるものだと思います。なぜなら、経験上よくあるんですが新しいソフトを試してみたい時って大体「この曲のこの箇所にこういう音がほしい」という具体的なニーズがあってのことなんですね。なので1曲作るにあたってとりあえず試用版で試してみて、これは良いぞ、となったら恒久的に使うために有料ソフトを購入する、というのはとても理にかなっていると思います。なので無料ソフトだけでなく、有料ソフトの試用版もうまく活用してほしいなと思います。そうすることで、一定期間だけならかなりのレベルのソフトウェアを無料で活用できるといったこともあると思います。

===

以下、ソフトウェアのおすすめを列挙してみます。

・無料ソフトおすすめ(DAW中心)

Apple GarageBand
説明不要、世界No.1のフリー音楽ソフト。Apple純正でLogic Pro Xとの互換性も抜群です。

Cakewalk by Bandlab
かつてのSONARである。Windowsでの無料ソフトの代表例と言えます。

Studio One Prime
Studio Oneを無料と有料どっちで紹介するか迷ったんですが、Primeと銘打って無料ソフトを強く打ち出しているので無料として紹介します。近年シェア急上昇中のStudio Oneを無料で使えるのは良いことだと思います。

・有料ソフトおすすめ(音源、プラグインも含む)

DAW
Apple Logic Pro X
世界シェアNo.1(印象論w)を誇るApple純正のLogic Pro。Mac OSとの完全な連携による堅牢な動作、内蔵音源やプラグインの充実は他の追随を許しません。いまだに32bitに完全には対応していないのがかなりマイナスですが、その他は文句なしのソフトだと思います(個人の愛情が入っていますw)

Steinberg CUBASE
ヤマハが販売していることもあり国内シェアNo.1(印象論)を誇るCUBASEWindowsユーザでの定番ソフトと言えるでしょう。操作しているときのUIはいわゆるミキサーとラックマウントの機材があった頃の、スタジオの回線構造を元にしている感じで、初心者にはとっつきづらいかもしれませんが、おそらく使いこなすと相当安定した操作を実現できるはずです。VSTプラグイン規格は最も普及しているソフトシンセの規格なのでまず間違いなくあらゆる音源・プラグインが対応しているのも良いですね。

【音源】
各分野ごとにいいのが揃ってますが、とりあえず私の主観で・・・

XLN Audio Addictive Drums 2(ドラム)
生ドラム打ち込みたいならとりあえずこれか、Steven Slate Drumsとかでいいんじゃないでしょうか。個人的にはBFDとか買わないでも結構いけるんじゃね?と思ってしまいます。

Native Instruments Battery 4サンプラー
基本的にはドラム音源ですが、サンプラーとしての使い勝手が素晴らしいです。僕はSpliceというサブスクリプション型のサンプルサイトでkickやsnareのサンプルを入手して、このBattery4に取り込んで鍵盤でMIDI音源みたいに鳴らすのが一番仕事しやすいです。

Native Instruments MASSIVE(シンセ・主にベース系)
シンセベースといえば未だにやっぱりMASSIVEは外せないのではないでしょうか。BatteryとあわせてNative Instruments KOMPLETEパッケージに入っているので、結局なんだかんだKOMPLETEは欠かせないなぁという話になると思います。。

Spectrasonics Trillian(ベース)
生ベースはもうとりあえずこれでいいんじゃないでしょうか。あえて比較するとしたら近年人気のMODO BASSあたりは良いと思います。

Spectrasonics KEYSCAPE(ピアノ)
ピアノ音源の超定番。使い勝手良すぎ。他にも色々ピアノ音源は豊富な種類がありますので、比較すると楽しいと思います。

reFx NEXUS 3(シンセ)
EDM系など、J-POPへの応用が聴く定番の派手なサウンドが多く、個人的には重宝しています。アルペジエーターも便利です。

Xfer Records Serum(シンセ)
音ヌケがよく、洋楽的なプリセットが多数あります。波形からエディットしていく操作性も高く、トラックメーカータイプの方にはNEXUSよりも気に入っていただけるかもですね。

プラグイン

WAVES Bundleシリーズ
もうだいぶ全盛期を過ぎた感のあるWAVESですがとはいえL3なかったら困りますよね?みたいな話で、とりあえずセールしてたらWAVESのバンドル何か買っておいて損はないと思います。

iZotope Ozoneシリーズ
いわゆるマスタリングツールというか、ミックスの最終段階で必要となるものです。Ozone特有の音圧感は好き嫌いの分かれるところですが、J-POP制作で有益なのは間違いないと思います。

Ceremony Melodyne
超重要プラグイン。ボーカル等のピッチ補正で大活躍。これがなかったら仕事にならないという超基幹ソフトウェアです。Essential/Assistant/Editor/Studioと4グレードありますが、プロとして仕事をしていくなら高くてもStudio買って良かったぁ、と思います。絶対元が取れます。

Nicky Romero Kickstart
近年のアレンジに欠かせない「サイドチェイン」の技法を簡単に再現できるソフト。正直コンプで苦労してサイドチェインかける暇があったらこれを使ったほうがいいと思います。

Varhalla Vintageverb
ここ最近クリエイターがこぞって愛用している新時代のリバーブの定番。安い!軽い!いい音!文句なしです。

Zynaptiq INTENSITY
マスターにかけるだけで「just slightly better(プリセット名)」になるという夢のようなソフト。高いですが価値はあります。ただ本筋の、しっかりとミックスを作り込んでいく基本的なツールではないので、あくまで飛び道具と考えるのがよいと思います。

最後に(いろいろ書きましたが・・・)

だいぶいろいろと網羅的に紹介してしまいましたが、無料から始めようなんて言っているくらいなので、まずは一歩を踏み出してみることが大切だと思います。
そして上記の山口哲一さんのエントリに戻りますが、「質問できる知人友人と同じDAW環境から始める」というのは想像以上に大事だったりします。今の時代あらゆる情報はネットに転がっており、あらゆるクリエイティブな行為はベッドルームで可能です。でも、だからこそ大切なのは仲間だなと痛感します。孤独になり、質の悪い情報に囲まれ、自分のエネルギーまで劣化してしまうことほど危険なことはありません。「情報収集は仲間と一緒に、機材購入は自分の判断で」行動できるのがベストだなと思います。

僕も出身なので手前味噌感があって恐縮ですが、良き仲間に恵まれコーライティング作曲家としてちゃんとお仕事を頂けているのは、やはり山口ゼミがそのきっかけだったなと思います。来年(2021年)1月9日の無料オンライン説明会のリンクを貼っておきますので、ここまで読んで興味を持たれたかたは、ぜひ気軽に顔を出してみてください。

tcpl.jp

f:id:cowritingfarm:20201111104018j:plain