Co-Writing Farm Official blog

クリエイター集団Co-Writing Farm(CWF)のオフィシャルブログ。メンバークリエイターの日々の活動などをカジュアルにお伝えします。

目標を決め、行動にうつし、壁を越える。ーやる気、習慣づけ、疑問の解決方法についてー

こんにちは、CWFの作曲家、ペンギンスです。

何回か連続して、はじめてDAWにふれる、「DTM(DeskTop Music)」をスタートする、という方をイメージしながらブログを書き綴ってきました。前回まではDTMの歴史からおすすめ機材、予算とその使い方といった物質的な話をもっぱらしてきましたが、最後となる今回は一転して、DTM・・・に限らず楽家としてスタートを切るにあたってのマインド的なお話になると思います。

マインド面って精神論になりがちだし(言葉通りですがw)、ネットで検索していても「ちょうどいい議論」がないんですよね・・・

一般のサラリーマン・学生さんなど向けの抽象的なビジネス理論やマインドセットの紹介で
「世の中の一般論としてそれは分かるけど、音楽を作る立場として日々どう実践すればいいんだろう・・・」
と思うか、

DTMで音楽を作るための具体的なTIPSに終始していて
「確かにそれで効率的に音楽は作れるかもしれないけど、量産するだけじゃなくてヒット曲を作って創作のステージをあげたいんだよ」
と思うか、

の二択が多いです。

「クオリティーの高いヒット曲を作って社会にインパクトを与えるために、音楽家としてどういうモノの考え方をすべきか?」
というちょうどいい粒度の議論がなかなかないので、駆け出しが僭越ですが・・・自分なりにもがきながら見えてきたことをお伝えできたら幸いです。

【目標設定しよう!〜目標をきめることの大切さ〜】

 目標設定は、成功のためには「めちゃくちゃ大事」です。ただ、ここで大事なのは「なんのために目標設定するのか?」ということですね。目標というのは「必ず達成しなければいけないから決める」とか「がんばればここまでできそうだから」とかで決めるのも悪くは無いのですが、それだけではありません。いい目標って、後述する「モチベーションをあげる」ということに直結するんですよね。めざす目標が高すぎても低すぎてもよくありません。自分が達成できそうな目標で、なおかつ覚えやすくて、ちょっと印象的なものだと最高です。
 今でこそ僕もプロとして曲を作り続けるということがすっかり習慣になりましたが、作曲家という職業を選んだ当初はなかなかそうもいきませんでした。結構自分ではがんばっているつもりでしたが、年間4-50曲がやっとだったでしょうか。そこで「年間100曲」という目標を決めました。これは達成可能ギリギリでありつつ、「100」というキリの良さがポイントでした。「80」でも「120」でもなく「100」なんです。年間100曲、と呪文にすることで、それはゲームになり、一人歩きして自分の背中を押してくれます。こういう「ちょうどいい難関」を設定するのはいつだってとっても大切で、今(2020年)でも引き続き(ここには書きませんがw)、我ながらちょうどいい目標を立ててがんばっています。

【モチベーションをあげるには〜行動にうつすことの大切さ〜】

 何かにやる気を出すためには、その行動をとにかくちょっとだけでいいから始めちゃうことが大事なんだそうです。とはいえ、たとえば曲を作るということにしても、なかなかはじめの一歩が踏み出せませんよね。「ちょっとだけでも始められない・・・」と思うかもしれませんが、なにも曲作りそのものを始めなくたって大丈夫です。というか、むしろそれよりも効果的なのが次の3つです。

1.習慣(ルーティン)としてスケジュールだけ先に書き出してしまう

自分で自分のマネージャーになるようなものですね。カレンダーでも手帳でもいいですが、とにかくスケジュールとして「この時間は曲を作る」と書き込むだけなら、スマホから30秒もあればできるのではないでしょうか。少しずつ自分のマネージャーとして、自分という才能をコントロールしてあげることが大切です。ルーティン化された努力は強いです。

2.締め切りを勝手に自分で決めてしまう

これもある程度効果的です。1とかぶりますが自分で自分のマネージャーになる路線ですね。より効果的なのは自分の締め切りではなくやはりガチンコの締め切りなので、そういう意味ではアーティストと違ってクライアントの提示する締め切りがある作曲家という職業は、怠惰な僕にも向いているなと思います。

3.人を誘ってやらねばならなくしてしまう

自分で決めたスケジュール、締め切りというのは、ぶっちゃけ守らなくても(基本的には)誰も困りません。でも人を誘って「一緒にやろう」と「コーライティング」の手法でスタートさせれば、相手を待たせる訳にはいかないということが曲作りを引っ張っていくのも事実です。僕が年間100曲作れているのも間違いなくコーライティングだからです。ひとりで年間100曲を数年間作り続けられるのは、僕には到底無理です。

【「問題解決」して壁を越える〜わからないこと、つらいことで心が折れないために〜】

 適切な目標を設定して、モチベーションをうまくコントロールすれば、自然に作曲家へのチャレンジの道を走り出すことができるはずです。
 しかし、走り出したあとからが本当の困難です。なにしろ基本的によほどの天才でも無い限りは、なかなか認められない日々が続きます。こんなことを偉そうに書いている僕も今だにコンペで戦っている以上、認められない日々が続いているフェーズであることは事実。認められない日々の中で、特につらい、困る悩み事といえば「技術的、心理的、人間的な壁にぶち当たってしまう」ことだと思います。ここで大切になってくるのが「問題解決思考」です。「PCが固まって動かない」的なことからはじまり「ミックスがうまくいかない」「どうしてもライバルの作曲家のデモよりしょぼい」さらに進むと「自分も仲間も認めるハイクオリティーな楽曲を複数提出しているけど、いつまでも初採用に至らない」なんてケースも出てきます。そこで「これこれこういう原因があるからうまくいかない」と諦めてしまうことは簡単ですが、なんとかその「問題」を「解決」することで、「目標」にふたたび向かっていくことができないか?と考えるアプローチが前述の「問題解決思考」ですね。
 問題を解決するための方法には枚挙にいとまがありませんが、今回はあくまでDTMをはじめて職業作曲家になるという道のりの話なので、それに沿ってお話します。

1.仲間をふやす(先輩やライバルをふやす)

リアルな現場の経験を多数積んでいる先輩方や、同じレベルで切磋琢磨している仲間とのコミュニケーションは、へたに自分で何日も独学する以上の問題解決効果がありますよく人脈の大切さ・・・みたいなことを言う方がいますが、その本質としては「素晴らしい人に囲まれることで、良質で正確な情報に恵まれ、努力の方向性を間違えないで済む」といったあたりにあるのではないかと思っています。この点コーライティングという手法は繰り返せば繰り返すほど自動的に人間関係が豊かになります。さまざまな(時にはぶつかり合い矛盾する)意見や情報を自由に取り入れることができるのが素晴らしいと思います。

2.ググる

昔「調べる」と言われていた行為ですねw。調べてわかることは意外と多いです。ポイントとしては、調べる内容に応じて適切な調べる方法を選ぶというところが結構大事です。

一般論、公開されている情報 = ググる、本を読む等
言葉にしづらい情報や機材の操作といった実地のこと = YouTubeなど映像系コンテンツ
非公開、あるいは信頼できる関係者のみが入手できる情報 = 有料noteコンテンツ、先輩からの口コミ等

メディアによって特性は異なりますし、同じメディアでも発信者によって情報の役立つ方向性が変わってきます。業界の裏話を聞きたいならググるより先輩に聞いたほうが真実だし、調べればわかることを先輩に聞くより自分でググったほうが合理的です。上手な手段の使い分けが必要だなと思います。

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いかがでしたでしょうか。数回にわたって「DTMってなんだろう」からはじまり「どんな機材が必要なのか、それはどれくらいの予算で実現できるのか」さらには「機材を揃えた後どんな心構え、モチベーションで目標を設定して向かっていけばいいのか」までひととおり簡単にお話できたのではないかと思います。

最後になりますが、ここ数回のCo-Writing Farmオフィシャルブログの内容をもとにオンラインでの講座を企画しました。

12月19日、12:30-14:00にZOOMにて開催します。

申し込みはこちらのPeatixから!!!

ptix.at

「予算30万円でゼロからDTM〜J-POP職業作曲家への道のり〜」
2020年12月19日(土)12:30-14:00
オンライン(ZOOM)
講師:ペンギンス

ブログの内容に共感された方には、より具体的なTIPS、機材のリスト、さらには今回お話したモチベーションやアクション面についてもより深掘りしてお話できると思いますので、ふるってご参加ください!

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