東京のAirbnbでセッション合宿Vol.1〜実りあるセッションにするために大切にしたこと〜
こんにちわ!
CWFの長沢です。
このたび、2020年2月22日〜24日にかけてAirbnbで作曲セッションを企画・実施してまいりました!
素敵なAirbnb。五反田から徒歩6分くらいで便利です。
今回はオーガナイザーをしつつ作家としても参加しておりますので、
どちらの目線でも気づきをお伝えしたいなと思っています。
前編はオーガナイザー編です。
そもそもCWFでは毎年真鶴で年数回作曲合宿をしております。
何度も合宿をしているのに、さらに自主合宿まですることになったきっかけは昨年の夏。私の作曲に対する情熱アップのために、リアルセッションをしないか?と仲間のペンギンス、さおさんにご相談しました。
最初は数名で実施する予定だったのですが、どうせやるなら、「本格的に」と話し合いまして、結果、まだCWFではやったことのない、東京でのAirbnbセッションにたどりついたのです。
結果、2019年夏、中野新橋のAirbnbセッションを実施しまして、
9名3チーム、2daysで6曲制作しました。
その時になんとメジャー採用1曲、キープ1曲が誕生しました。
6曲中2曲なのですごい確率です。
でもそれもそのはずです。
なぜなら私たちの合宿の目的は(当たり前なのですが)
「全チームの楽曲が採用されるくらい最高の曲を書くこと」だったからです。
そして今回2020年冬は、場所を五反田に変え(この部屋に一目惚れ)、10名3チーム、2daysで6曲制作しました。
参加者は
barbora
Vo/TopLine/TrackMake/Lyric/Guitar/Bass
シンガーソングライターとしての活動後、作曲家へ。グルービーでリズミカルなアコースティックギターと強く甘い歌声を武器にマルチに活躍中。どんな人とのセッションもまろやかに空気を昇華するスーパーディレクター。
代表曲:「月と僕の距離」入野自由 、「 遠距離恋愛」8utterfly
長沢知亜紀
Vo/TopLine/TrackMake/Lyric/Piano
今回のセッションオーガナイザー。普段はコンセプトメイクから楽曲制作を得意とし、自身でも歌いながらマルチに楽曲制作を行う。会社員をしながらのJpop兼業作家として活躍中
代表曲:「ズルいよズルいね」=LOVE、「このiは虚数」ClariS
Sorato
TopLine/TrackMake/Guitar/Bass
国内外アーティストへの楽曲提供、リミックス制作を行うなどグローバルな活動を行う若き奇才。骨太で繊細、かつ流行の最先端をつく気鋭のトラックメイカー。Trap,EDM,futurebassからバンドサウンドまでマルチにこなす
代表曲:「Eternally」OH MY GIRL、「four」FAKY
TheAnswer
TopLine/TrackMake/Guitar/Bass
ベーシストならではのグルービーで骨太なリズムサウンドが得意。ジャンル問わずオールマイティにこなす気鋭のアレンジャー兼トラックメイカー。耳なじみのよいmixは抜群のセンスを漂わす。
代表曲:「拳と花束」シシドカフカ、「ドキ⭐︎ドキ」mirage2
澤田達成
Vo/TopLine/TrackMake/Guitar/Bass
繊細で軽やかな歌声と爽やかなギターが特徴のスーパーシンガー。シンガーソングライターとして、ライブやYouTubeチャンネルでも活動中で、この歌声を聴くと脳内が浄化される、惚れる人続々の名シンガー。
代表曲:「ジプソフィラ」 松岡侑李、「当たり前なんかない」神谷浩史
garatia
Vo/TopLine/Piano/Lyric
声楽家の両親のもとピアノや音楽に触れて育った気鋭のシンガーソングライター。独創性あふれる唯一無二のリリックを最大の武器に、あらゆる言語を駆使し歌いこなすスーパーシンガー。
代表曲:「 革命前夜」井口裕香、「four」FAKY
永野小織
TopLine/TrackMake/Guitar/Lyric
理系ギター作詞作曲家。コーライトにおいて、主にディレクション/トップライナー/作詞の役割を担う。どんなコライターとのセッションもひとたび一緒に曲を作れば、魅力的に昇華する壁打ちの女神。
代表曲:=LOVE「ズルいよ ズルいね」、ClariS「Summer Delay」
ペンギンス
TopLine/TrackMake/Piano/Lyric
トップライナーと言えばこの人。どんなセッションも、誰よりも圧倒的な量と質でメロディラインを生み出す。エバーグリーンでキャッチーなメロを書き続ける天才。
代表曲:「語るなら未来を」欅坂46、「恋するカモ」Girls2
hanawaya
TopLine/TrackMake/Lyric/Vo/Guitar/Bass
DJ、プロデューサー、ボーカリスト様々な顔をもつクリエイター。自身でのバンド活動を経て、様々なアーティストへ楽曲提供を行う。
代表曲:「Girl meets Girl」Girls2、「Cotton」AIMI
YuiMugino
Vo/TopLine/Arrange/Lyric
英語日本語訳詞、発音矯正などクリエイターの幅を超えて、活躍するシンガーソングライター。七色に変わる変幻自在の声と、世界に匹敵するメロディ・LyricセンスですべてのJpopに息吹を添えるスーパーシンガー
代表曲:「us」milet、「I'm a slave for you」川口レイジ
さて、自分たちでメンバーを誘ってやるので、どのようなメンバーとご一緒したいかは真剣に考えました。「参加した人に全員実りがある」ということは大切にしていて、ここを真剣に考えることは外せません。
そこで大事にしたことは、
・1点突破している作詞作曲編曲家の方(たとえば歌がとんでもなくうまい人)
・もしくはすべてオールマイティにできる方
・セッションに自分の意見を持ってる方
をお誘いしたかなと思います。(あらためて言語化するとこうかな、と)
また、今回はチーム編成の考え方も新たにしまして、
・参加メンバーに誰とやりたいか、何を作りたいか、どんな役割で参加したいか、セッションに対する希望ややりたいことはあるかを聞いたこと
・ セッションの組み合わせを「トップライナー」「トラック」「歌詞&シンガー」という役割別ではなく「このチームだと何の曲が採用されるイメージが湧くか?」と考えたこと
です。
この2つは結構大事で、私は会社の仕事で、マネジメントを主にしていますが、
「人は好きな人、好きなことをやる時に最大限に力をは発揮する」
と信じているからです。
なので、心のそこからやりたいというモチベーションの源泉を大事にすることは、このAirbnbセッションでは非常に大事にしました。
結果、6曲ともに本当に個性的な曲ができたのではないかと思いました。
全曲に驚きや気づきがあって、コンペとか関係なく、曲として個性が溢れ出てる。
笑ったり、驚いたり、感動したり、思わず泣けるような。
ちなみにチーム編成は以下のような感じ。
SessionDAY1は、12時〜19時半の7時間半セッション。
SessionDAY2は、10時〜18時の8時間セッション。
見てお分かりの通り、マルチメンバーが多いので、ボーカリストがふたりいたり、トラックメイカーがふたりいたり豪華です。何ができあがるのかもお楽しみ。
Airbnbセッションでは、スピーカー、各PC機材、マイクスタンドからケーブルまで全て持ち込みです。Airbnbにあるべきものは机と椅子!これがないと疲労がハンパないw
そんなことをチェックしながら、DAY1、DAY2それぞれのチームで最高の楽曲作りに取り組みました!
(Vol2に続く)
山口ゼミ「コンペ徹底研究」回に潜入してみた-ソニーミュージック、Kazyさんの言葉-
こんにちは、Co-Writing Farm(CWF)メンバーのペンギンスです。
さる2月22日、高田馬場で久しぶりに山口ゼミに潜入(聴講)してきました。山口ゼミというのは改めて説明はしませんが、我々CWFメンバーの作家がみな揃って通ってきた、職業作曲家を養成する超実践型講座のこと。
この日はソニーミュージックで長らくA&Rをされ、現在レーベル内外の様々な楽曲/歌詞コンペを主催している伊藤和彦さん(Kazyさん)にゲストとしてお越しいただきました。貴重なお話が聞ける機会なので、CWFメンバーも大挙して駆けつけました。このように山口ゼミの講座がいつでも無料で聴講できるのも、CWFメンバーの特典です。
通常、作曲家養成というと音楽理論とか、DTMとか、そういった「いかに音楽を作るか」という視点がメイン。山口ゼミも、もちろん音楽を作る人間を養成する場ではあるのですが・・・こうして「作曲家の曲を選ぶ立場の人、使う立場の人」、クライアントサイドの視点をお持ちの方にお越しいただくことは大きな特徴です。超実践型と言われるゆえんです。
この日は山口ゼミ受講生の音源の講評に加え、我々CWFメンバーの音源についてもコメントをいただきました。
コンペ等の実戦の場、あるいはTDや打ち合わせ等での会話でディレクターの方からよく聞くのは「いい曲なんだけど、『それは自分で歌えばいいんじゃない?』という曲がけっこう多い」というお話。今回もKazyさんからは「いい曲ではあるんだけど、じゃあこれを今回ターゲットとしているアーティストが歌い、踊るステージが目に浮かばない」あるいは逆に「非常によくできている。あとはかなり強力なライバル曲たちにいかに勝つことができるかの世界」といった趣旨の前向きなコメントをいただくといったように、プラス・マイナス両面とも非常にリアルな「現場の実感」を元にした大変有意義なコメントをいただくことができました。
Co-Writing Farmは通常の作家事務所とは異なり、独占的な拘束は発生せず、クリエイターにインディペンデントな存在であることを促すコミュニティーです。その甲斐あってか自由なコーライティングにより数多くのユニークな楽曲が生まれており、Kazyさんからも以前より「出てくる曲の数とクオリティーはいつも素晴らしい」というポジティブな言葉をいただいています。
今CWFがめざしているのは、その先の世界。ハイクオリティーな楽曲を多数生み出すことは当然の前提として、それらの曲がターゲットとなるアーティストにとっての大切な1曲になり、ファンの方々にとっての大切な1曲になり、ヒット曲として育っていくこと。そんな未来の展開のために欠かせない学びが、この日のKazyさんの言葉に詰まっていたように思います。
日本で名曲は生まれない?語学留学で気づいたLAの音楽事情
「日本はまだ同じことをやってるんだね」
海外に拠点を移して、活動されてる作曲家の大先輩が言った衝撃的な一言。
昨年、私がハッとさせられた言葉でした。
日本の音楽は果たして本当に同じことばかりやってるのでしょうか?
海外の音楽はそんなに最先端なのでしょうか?
疑問がふつふつと募りすぎて、LAヘ。
なんていうのは、建前でw
半分バカンス、半分語学留学をしにLAに2週間ほどいってきましたCWFの長沢です。
滞在期間は2020年1月11日〜1月26日の2週間。
せっかくなので皆様にその情報をお届けしたいと思います。
LAの生活と音楽
いったいどのように紐づいてるのでしょうか。
本当であれば、セッションなどもしてみたかったですが、
今回は学生寮(という名の普通のマンション)に滞在して、
向こうの生活を体験することで音楽を感じて来ました。
驚き1
夕方ニュースのCMまたぎにジャスティンビーバー
うっかり前泊をしたホテル(※なんでそんなことになったのかは番外編に続く)でニュースを見てると、CMへ行く前に聞き覚えのあるジャスティンビーバーが流れるじゃないですか。
日本だったら夕方の帯ニュースの音楽はよく聞くジングル(ZERO~みたいな)
それももちろんいいけど、アメリカの偉大なポップスを日常のテレビ番組で聴けるって
生活に根付いていていいなと思いました。
驚き2
UBERでかける音楽は自分好み
LAは圧倒的な車社会。
そんな社会を象徴するかのように発達したのはUBER。
※UBERとは
アプリやWEBを使用した配車サービスで、タクシーよりも安価に気軽にドライバーを呼べます。その利便性は素晴らしく、呼んだら3分以内にはどこへでも来てくれます。
私もLAでは頻繁にUBERを使用してました。
(あまりにも使いすぎて、日本に帰ってからもUBERを呼ぼうとしてしまうほどw)
日本のタクシーよりも安価に呼べるので、とても便利でした。
ドライバーの皆様は自身の車でお客様を目的地へ運びます。
そのため、車の中はドライバーの自由です。
そこで私はとんでもない種類の音楽を聴きました。
UBERは軽く14〜5回乗ったとおもいますが、
ほんと〜〜〜〜〜に1回もジャンルかぶらなかったと思うw
・Amercan Pop
・アニソン
・Blues
・R&B
・メタル
・UKロック
・ジャズ
・ファンク
・80'sロック
・ビートルズ(しか流さないとおそらく心に決めてるw)
・EDM
・future pop
・Trap
etc・・・・
まがりなりにも作曲家の私もまぁほとんどわかりませんでしたw
そのたびSHAZAMもしながら新しい音楽を聴き、コミュニケーションを取る日々。
音楽は世界共通言語と言いますが、その通りでした。
どんな人にも必ず
"Do you like this music?"
と聴き・・・(これでいいのか英語w)
その後のUBERはとても盛り上がりました。
LAでは
「車のなかで自分の音楽を好きなように聞く」
これがもしかしたら普通のスタイルなのかな?
もちろん、日本でもたくさんの人が音楽を聴いてるとは思いますが、
こんなにワールドワイドに聴けるとは・・・!思っていなかったのです。
驚き3
コスメショップで店員さんがHipHipを歌いながら接客
とあるコスメショップ。
日本ではまだ入荷されていないレアなお店です。
店内は多くの人々で賑わい、ようやく入店です。
一見強面の黒人の美人ショップ店員さん。
友人はちょっと声をかけるのもためらいます。
ですが、次の瞬間。
店内に人気のHipHopが流れると
割と大きな声で歌いながら商品を整え始めるではないですか。
「ちょ、仕事中に?w」
なんてツッコミは大間違い。
彼女のとんでもない美声に酔いしれながら、
多くの人々がノリノリで、好きな化粧品を選ぶのでした。
さて。
今回書いた3つのエピソードは私が日本ではあまり体験できないなと思ったことでした。
LAのが最先端!日本が遅れてる!なんてことはないかもしれないけど、
LAの人々はEveryday・Everywhere音楽を楽しんでる
それは生活の随所でそうなんじゃない?とおもいました。
生活に根付いていないからって、日本から名曲が生まれないわけではない。
でも、音楽がもっともっと身近になったら、日本の音楽はもっと明るいのにな
「同じことの中でもね、進化してるのよ」
って、もっと堂々と言えるかなと思った女一人旅だったのでした。
International Songwriting Campに参加してみた No.2
Kazです。
だいぶ間が空いてしまいましたが、海外Writing Campのレポートその2です。
目立つ背の低さ。笑
今回からは 僕が実際に去年に参加をしたヨーロッパCamp(9月上旬のSpain BarcelonaでのCampを含む)全部に共通して発見した、学んだことを少しずつシェアできればと思います。
* トップライナー(Singer & Songwriter)もトラックメイカー(Producer)もみんな意識はアーティスト
まず、海外ではトップライナーがメロディーと歌詞を書いて歌を入れる(コーラスも含めて)を全部やっちゃうケースがほとんどです。今回のCampを経て、そもそも トップライナー自身もやはり前提は自己認識が全員ARTISTだし、他のWriterとセッションをするときは 役割としてsongwritingをしている。と言う感覚がむしろ近いのかなと感じました。
Londonは( 大雑把過ぎるかも例えかもしれませんが)ヨーロッパ諸国のTokyoみたいな場所で、いろんな国からLondonに上京してきているArtist達がいる。
みんな歌のレベルは言うまでもなく異常に高いし声が凄いしARTISTとして成功しようとしていて、参加者もそう言うARTIST達しかいませんでした。
そして面白いと思ったのは、Producer, DJ(日本でいうTrackmaker)も多くは ARTISTという自己認識だったこと。
Producerが特定のARTIST (Singer)と組む形でユニットとしてARTIST活動をしている、というのは馴染みがありますが、
DJ, Producerとして,時にあるSingerをfeatureしたり、あるいはトラックのみで作品をリリースしたりといった形で活動しているARTISTが多かったのです。
日本語ではTrackmakerと言い、海外ではProducerと言うこの単語の差異にも現れていると思いますが、Producerは自分のサウンドのアイデンティティーをトラックに詰め込んでいる。その時点でそれはもうARTISTであると言う感覚。
日本だと、どうしても歌を歌う人間は無条件にARTISTという感覚はありますが、そういう境界線がない。シンガーと組まずに、ProducerそのものがすでにARTISTという。
Londonで初日に一緒だったReeもそんなProducerタイプのARTISTの一人でした。
彼はTGR Music と言うRecord Labelに所属しているスイス出身のProducer, DJ。
で最近、Maki Flow ↓
というLondonで出会った Artist(Singer)をFeatureして、作品をリリースしたタイミング。
こういう人がゴロゴロいて刺激的です。
もちろん、ビッグネームや、自分がリスペクトするARTISTに楽曲を提供したいという動機もある。ただ同時に、それ以前に自分がARTISTとして、Tomorrowlandで自分の楽曲を解き放ってやる!という気概をみんな持っている。
先ほどのReeはCampが始まる少し前に自分のトラックを気に入ったとあるDJがそれこそTomorrowlandでお前の曲をプレイする!的な熱い知らせをセッション後の飲みで話していて、London在住 ARTIST達の盛り上がり具合が半端なかったです。
DJ, ProducerもARTISTとしてガンガン配信で楽曲をリリース。特定のシンガーと組んでアーティストユニットを組んで成功を目指すタイプもいれば、Producer、DJとして自分のトラックにかっこいい声を載せるARTISTとの出会いを求めているタイプもいたり。
こういう背景はやはりコンペにも反映されていました。
日本で言う楽曲コンペは英語ではBrief と言いますが、このBriefでも、出版社所属のARTIST(Producer)が、トラック(LondonではトラックのことをBeatって表現で呼ぶWriterも多かったです)に乗せる声とアイデアを募集する所謂トラック先行コンペというのも珍しくなかったです。DJ、PRODUCERタイプのARTISTがトラックのアイデアを募集する形のBriefがLondonのCampでは4日間のうち、2日はそうでした。
まとめ:みんな意識はARTISTだし実際ARTIST。Songwriter、producerはその時の役割にすぎない。
なんか長くなってしまったので、^^; 次回はSessionを具体的に振り返りつつ、
もし帰国子女とかでない純日本人トップライナーがヨーロッパ人に混じって、欧米マーケットに向けて書くセッションに参加すると何が必要になるのか?何がめっちゃ大変か?どう貢献でき得るか?
と言う観点で書いてみたいと思います!
CWFの大ベテラン、中西哲郎さんから〜山口ゼミ7周年によせて
山口ゼミ1期のCWFメンバー、中西哲郎です。
早いもので山口ゼミに入って7年目を迎えました。
7年前の今日、2013年1月21日に、山口ゼミはスタートしました。
誰もが緊張した面持ちで...
多分受講生23人だけではなく、あの日は山口さん、伊藤さんもどうなることか凄く不安だったんだと思います。
今はだいぶ温厚になった印象を受けますが、あの頃は伊藤さんによる「伊藤斬り」というのがありまして。
その惨殺第1号は、僕です。
2回目か3回目で、まず各自の今までの自信作を聴くという場面、僕の番になり、ちょうどその日が誕生日で、みんなに散々祝福され...
その直後、「まぁそれはそれとして」という伊藤さんの前置きと共に、僕の解体ショーが始まりました....
この曲の、サビ頭から8音が何とかという曲のサビ頭と同じなんだよね
こういう古いAORテーストの曲が今の市場で求められることはまず無い
...など、あらゆる方向から縦・横・右斜め・左斜めと、切り刻みに刻まれて、顎が外れて呆然自失となり
このまま消えてしまおう、と思ったことを鮮明に覚えています。
今となってはいい思い出ですが....
でも1期生とは便利なもので、望年会とかゼミの打ち上げなんかでは、自己紹介の時「一期の中西、一気します!」って大ジョッキを空けるのも芸として通用して。
オイタなあの頃の自分が懐かしい....(遠い目)
そんなこんなで日々は流れ、今日も、メンバー作曲の曲の入ったCDを借りてきました(買えよ!)
7年という年月の重さ、山口さん、伊藤さんの努力が着実に実を成しているんだなぁ、と、感慨ひとしおです。
ところで、ちょっと時間は経ってしまいましたが去年のクリスマスイブの早朝、エイベックス×TV東京 次世代オーディション番組「ヨルヤン」ってのがスタートし、オーディション曲として書いた曲が採用されています。
ヨルヤン(テレビ東京)の番組情報ページ | テレビ東京・BSテレ東 7ch(公式)
あの曲は伊藤さんの詞先で5年も前に書いたもの。
キープにはなったものの採用されず、2年が経ち3年が経ち、ついには元号まで変わって、やっと日の目を見ることが決まった、といういわく付きの曲でして。
曲を作る段階から、どういう経緯かは忘れたのですが昭和テイストの曲を作ろうというリクエストがあり、ベストテンとか夜ヒットとか...若いメンバーは知らないのかなぁ...音楽番組が花盛っていた頃を思って作りました。
かくいう僕は、実はその頃バックバンドのメンバーとしてほぼ毎日テレビ局をハシゴして、日本中をツアーで駆けずり回っていました。
あの頃はテレビのセットも派手で。
3階建てになったヤグラのテッペンに高所恐怖症の僕が立たされて、揺れる中でギターソロを弾かなければならない、なんて悪夢のような思いをした記憶もあります....
出番を待つ舞台袖のヤグラで、隣のヤグラのCCBのメンバーと馬鹿話をしていたり...
あの曲は、そんなころを思い出して、ちょっとCCBテイストで作りました。
まぁ、7年という年月を簡単に語りつくせるものではありません。
秋元康さんプロデュースで外人がデビューする、ということになり、ペンギンスさんと書いた曲が採用された!なんてこともありました。
本当に、あの曲は何十テイク作ったことか。
伊藤さんの、「ペンギンスと中西は海外デビューも決まった」という一言に、どれだけ胸を躍らせたことか。
結果は.... ご存じのとおりです。
そんな感じで、谷あり谷あり。
いつか地殻変動が起きて山の天辺に居たりして。
高所恐怖症なのでちょっとそれも辛いかもしれませんが....
石の上にも3年はとっくに過ぎてしまいましたが、ラッキー7の年、ということでラッキーがあると良いなぁ、という凡人的な下心のもと、今年も棒を当てようとする犬の心境で、しっかり音楽活動に励んで行きたいと思っております!!!
パラレルキャリア女性作家ながながの1週間 ~後編~
兼業作家をしている永野小織、長沢知亜紀のよくある1週間を書いてみました。後編です。
前編(月曜日~木曜日)はこちらです。
<とある1週間の設定>
・永野はIT系、長沢さんは広告系企業のそれぞれ総合職として週5フルタイム勤務
・金曜朝提出のコンペ1曲、翌週月曜朝提出のコンペが1曲ある状態
・月曜~日曜の1週間の記録(後編は金曜日~日曜日)
~金曜日~
長沢→8:30起床。通勤し10時始業。
永野→7:30起床。通勤し9時始業。
コンペも提出したし、ようやく金曜日なので、今日はふたりとも日中頑張って仕事をしたのち、それぞれの飲み会です。
合間に、長沢さんが机の買い替えを検討している話をします。
一週間お疲れ様でした。
~土曜日~
午前中は別コライトのメロディーを作って送ります。
その後ありがちな土曜の予定として美容院だのまつエクだのの予定をこなしてから、
今日は山口ゼミに遠藤ナオキさんがくるので講義を聴講します。
遠藤ナオキさんは、長沢永野が作曲した22/7「シャンプーの匂いがした」の編曲を手掛けてくださったことがきっかけでお知り合いとなり、山口さんからの相談を受け、山口ゼミの講師として来ていただきました!
遠藤さんの講義は少し変わっていて、「作家として仕事をしていく上でいかに効率よい作業環境を整えるか」について熱く語っていただきました。
私も遠藤さんのお話を聞いて、トラックボールや良い椅子を導入し作業しています。
どんな作家も良い制作環境を整えることは大切ですが、パラレルキャリア作家としては、会社での仕事もPC作業が多いので、疲れない作業環境は本当に大事だなとしみじみ思っています。
遠藤さんの講義をうけて、CWF竹島くんがトラックボールについてのブログ記事を記載していますので、こちらもぜひ。(おすすめ商品3つめ)
講義後は飲み会がいつもの流れ。振り返るとわりと飲みすぎな週です。
~日曜日~
唐突に月曜朝締切のコンペに手を付け始めます。
これはあるあるです。
他の人とのコライトではじっくりと取り組みたいことが多く、あまり急ぎの案件はやらないのですが、こんなことができるのは365日話をしていて、意思疎通が抜群に早いながながならではの行動とも言えます。
時間はないですが、コンセプトが大事なのでそれでも朝から14時くらいまで話してコンセプトとタイトルを決めます。
タイトル案を出し合いながらブレストすることが多いです。ちょっとした会話からタイトルがすぐ決まることもあればあんまりぴんと来ず二人でずっと悩んでいることも。
我々の中では、コンセプトとタイトルがきまれば「ほぼ出来たも同然」
そこからは役割分担。今回は私がメロディーと歌詞を作ることになりました。この時点で16時。
長沢さんに共有してから話し合いつつ微調整。ここはこの歌詞のほうがいい、メロディーはこっちではどうかなどなど…
FIXしたら、そこから怒涛のアレンジです。
長沢さんが爆速でアレンジを進めます。長沢さんは一切の連絡を遮断し集中します。この集中力にはいつも驚かされます。
その間に、ギターが必要だったので、私が弾いて渡します。何度も弾きなおし弾きなおしなので時間がかかります…
途中で長沢さん、歌も歌います。この時点で夜の22時くらい。時間との戦いです。
お腹がすいたらUber Eatsを頼みます。なんて便利な世の中なんでしょう。この日は贅沢をしてタピオカから昼ごはん夜ごはんすべてを頼みきった長沢さん。
そんな中私は平行して前から進めていた同じコンペの仮歌エディットをしていたり。実は長沢さんも別コライトもしていたため、並行してミックスチェックを行っていました。
そんなこんなで我らの曲もミックス最終チェック。
仕上がります。
やり切った満足感でなんとなくアルコールを入れ、いい曲になったね~ といいつつ寝ます。深夜24時半。
~まとめ~
いかがでしょうか。
こんな感じで進めております。
あくまでよくある1週間の雰囲気、ということで、長沢永野で毎週2曲を作ってるわけではありませんが、合間合間にそれぞれ別のコライト(同時に5~6件は常に進行)も挟みつつ、日々活動しております。
とはいえこう書き出してみると飲み会もしたり、ドラマも見たり、運動もしたり、なんかそんなに忙しそうじゃないですね。笑
ということで、2020年もこんな生活をしつつ、楽しく音楽の仕事とそれぞれの仕事に取り組んでまいりたいと思います!
パラレルキャリア女性作家ながながの1週間 ~前編~
Co-Writing Farmで作家をしております、永野小織です。
よくコライトする長沢知亜紀さんと共に、兼業で作家をしております。
長沢と永野なのでセットでよく ながなが と呼ばれています。
仕事を複数持つことも徐々に自然になってきている世の中で、パラレルキャリア最先端?をやっているわけですが、
「いつ寝てるの?」「どうやって曲作ってるの?」とよく聞かれるので、ふたりのよくある1週間を前編 後編にわけてブログに書いてみたいと思います。
ゆるいブログですが、広い心で読んでいただけると嬉しいです。
<出会い>
山口ゼミ9期にて2015年5月に出会う。
偶然同じタイミングで山口ゼミを受講し、女性同士、同い年、総合職で仕事をしながらという境遇が似ていることもあり、意気投合。
最初はふたりともコンペに出せるレベルの楽曲が作れませんでしたが、持ち前の負けず嫌い精神とビジネススキルを活かし、お互いに情報交換しあい二人でコライトし続け、編曲でも採用がいただけるまでになりました。
<とある1週間の設定>
・永野はIT系、長沢さんは広告系企業のそれぞれ総合職として週5フルタイム勤務
・金曜朝提出のコンペ1曲、翌週月曜朝提出のコンペが1曲ある状態
・月曜~日曜の1週間の記録
~月曜日~
長沢→8:30起床。通勤し10時始業。
永野→7:30起床。通勤し9時始業。
時間は毎日こんな感じです。
通勤中はほぼ音楽を聴いて最新曲のチェック、リファレンス探しをしています。
月曜日に関してはお昼休みに流れてくる「しいたけ占い」が妙に今の状況に合ったりするとお互いに連絡を取り合います。
お互いにそこそこ中堅になっているので打合せやらなにやら、日中は瞬く間に過ぎていきます。月曜から大変です。
長沢→19時〜20時退社・21時までには帰宅
永野→19時退社20時帰宅
食事をとるなどしてから、私は金曜朝締切コンペ(メロディーと歌詞は土日に仕上げていた)のアレンジをします。
長沢さんは別件コライトの歌詞を1曲書き上げるなどしていたそうです。
あまり遅くなると次の日が辛いですので、24時過ぎには寝ます。
~火曜日~
長沢→本日はリモート勤務だそうです。良い制度です。通勤時間がないので朝一で始業前に仮歌を歌ってくれました。
永野→7:30起床。通勤し9時始業。
通勤中のみならず昼休みに別のコライトの歌詞を考えたり、リファレンス探しをします。
長沢さんは帰宅後歌をエディットしてくれました。
私はもう1年以上通っているパーソナルトレーニングに行きます。作家は運動不足になりがちなので、健康は大事です。21時半に帰宅。
帰宅後アレンジの続きを。あとは歌を入れれば完成状態にもっていきます。
~水曜日~
長沢→8:30起床。通勤し10時始業。本日は夜遅くまでずっと打合せが入っているとのこと。一日多忙で何もできません。帰宅は23時。
永野→7:30起床。通勤し9時始業。帰宅は22時。
今日はお互い仕事が遅かったので疲れ果ててしまいました。
並行しているコライトの必要最低限の対応だけして寝ます。
こんな時でも長沢さんは朝準備をしながらドラマを見たりして常に最新情報をチェックしていてすごいなと思います。笑
~木曜日~
長沢→本日も一日多忙で何もできません。私からみてもとてもハードワーク。
永野→7:30起床。通勤し9時始業。帰宅は20時。
歌を合わせてアレンジミックス!長沢さんに確認をとると、ドラムもうちょい出してベースはちょうどいいとのこと。コライトだと他人の耳でもチェックできてよいですね。
提出して終了!寝ます!
後編につづく。